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超初級オーボエの吹き方

​超初級管楽器の吹き方講座


 まずはともあれ、ちょっと吹いてみませんか!

  オーボエ、って知っています?
 クラリネットの細いやつ、じゃないですよ。

木管楽器で一番難しい楽器と言われていることもあり、最近、奏者減少が激しいですね。
でも、実際はそんなんじゃ無いようですよ。
意外と簡単に音が出ます。

 ※あくまで超初心者に、興味を持ってもらうことを前提としています。コンクールを狙う吹奏楽部生さんや、ソロを狙うプロをめざす人には、全く参考になりません。変な癖が付く前に、ちゃんとした指導者の下で本当の「レッスン」を受けてくださいね。

美奈21100-min
「めざせ!東海大会♪」キャラクター
オーボエ 美奈

超初級オーボエ吹き方講座


 ●用意する物
 ・オーボエ本体  
    オーボエは、楽器の中で最も高い楽器の部類になります。それは、キイや連結棒等が複雑な構造と、最細部が、内径でわずか4mmしかないので、非常に加工が難しい事が上げられます。また、演奏者人口が圧倒的に少ないことも、大量生産できないことなどで、値段が高くなる要因です。非常に繊細な楽器で、グラナディラ製が良いとされますが、音色を演出するために、エボニー、ローズウッドやメープルなども使われたりします。
 超初心者は、天然木の取り扱いが簡単な、新素材のオーボエが安くて、気軽に練習ができて良いですね。
 木製のオーボエを持っている方は、急激な温度変化、湿度、水気に注意してください。特にエアコンの効いている部屋での演奏は、時間をかけて楽器をその環境に馴染ませてから演奏しましょう。音色、音質にも影響しますが、それ以上に、場合によっては楽器が割れる恐れもあります。
 木製の場合の準備の仕方は、イングリッシュホルンのページを参照してください。



オーボエOB1500全景透過500-min


J-マイケル OB-1500
 会社は日本の名古屋で、企画管理販売していますが、製造は中国です。ただ、日本国内販売店がしっかりしているため、修理や保証がしっかりとして、近年、よく使われるようになりました。
このモデルは、エボニー粉末を樹脂で焼き固めた新素材で、湿気に強く、初心者や屋外演奏に向いています。


 ・リード    


オーボエリード全景-min



リードは、葦の茎を乾燥させて、薄く板状にして、先端を薄く削り、さらに、わずかにカーブをもたらせて、中央部に行きが通るように作られています。一番細い内径は、わずか4mm。
初心者は、リード部分が短く、薄い方が吹きやすいです。だんだん強く吹けるようになると、厚いリードの方が、割れにくく、響かせることができるようになります。
まずは、販売員さんに聞いてみましょう。

 ・水容器


オーボエリード水容器全景-min



リードは、葦の茎の部分を、乾燥させて薄い板状にして、さらに先端を薄く削ることで、振動するように作られています。そのため、乾燥し玉まで吹くと、硬く、すぐ割れてしまします。
そのために、十分水につけて、リードを柔らかくします。その水容器は必需品ですね。水がすぐに入手できない場合は、キャップ付きだと、ちょっとした移動が楽ですね。

 ・やるぞ!という心   これ、案外重要....  時々、忘れる....


Step.1 リード・楽器の準備


オーボエリード水容器-min


1) 十分にリードを濡らす
   最低10分は、水につけましょう。
   短いと、リードが硬く、息を入れただけで割れちゃいます。
   長いと、ふやけて音になりません。
   その日の、気温や、湿度によっても変わるし、
   エアコンの効く室内とか、乾燥具合を考慮します。


オーボエリード先端-min


2) わずかにカーブして、間だが均等に空いている状態

  十分に濡れた状態で、この程度、空いていると良いですね。
  足りない場合は、リードの先端の両端を指でつまんで、
  隙間を膨らませるのですが、乾燥していると、すぐに割れます。


Ob分割全景-min


3) 楽器を取り出す

  コルクが付いている部分には、保護リングが付いています。
  コルクは事情に薄く巻いています。硬い場合は、コルクグリスを
  塗ると良いでしょう。
  その際、指で薄くならして、余分なグリスは拭き取ります。


Ob中管ベル接続前-min


4) まずは、中管部とベル部を付ける

  どちらから付けても良いが、取り付ける際、キイをなるべく握らない  ようにします。キイの部分は、非常に繊細な調整がされています。
  強く握って曲がったり、最悪折れることもあります。
  握る際も、できるだけ均等に力が入るように注意しましょう


Ob中管ベル接続後-min


5) 連携棒の連結部をかみ合わせる
  この連結棒が上下に動いて、キイを開けたり閉めたりします。
  ここがずれていれば、音が出ません。
  逆に言うと、ここの取り扱いを十分気をつけてください。
  どこかのキイを押していたりすると、ここが上手くはまりません。
  無理して押し込むと、破損します。
  軽くずらして、管を繋いで、わずかに回転させて合わせると
  上手くはまりますね。


Ob上管中管接続前-min


6) 上部管と中部管の接続

  この部分は、先ほどの連結棒の接合部が2つあります。
  管を繋ぐ際、両側が当たらないように、押し込んでから、
  開店させると、両方接続できるはずです。


Ob上管中管接続後-min


7) 連結の確認
  連結棒の接続は、上部管中部管の間で2カ所。
  中部管とベル部で1カ所の、計3カ所。
  キイを動かして、目的のキイやキイカバーが動くことを
  確認しましょう。
  わずかな、不用意な力で、簡単にずれて動かなくなります。
  その都度調整に出すと、費用や時間が無駄になります。
  取り扱いは、くれぐれも丁寧に。


Obリード取付1-min


8) リードの取り付け

  リードの取り付け部は、非常に細く繊細です。優しく挿入します。
  キイのある面が、リードの平たい方向です。
  その角度は自分の吹きやすい位置を探してください。


Obリード取付2-min


9) リードを押し込んで固定 

  思いっきり奥に入れましょう。この程度まで入ります。
  オーボエが、なぜ演奏会の基準の音になるかと言えば、ここで長さの  調整がほとんどできないからです。外気温や湿度によって、音は変わ  ります。通常はリード取り付け部で調整しますが、Obは構造上、ゆと  りがありません。そのため、その出す音が、正確な442Hzでないとし  ても、「今日は子の音程で」と決めるためです。


Step.2 リードの吹き方


Ob吹き方唇1-min


1) 「うー」

  まず、「うー」と声に出してください。
  少し、唇を尖らせて、開口部はわずかに丸く息が出ます。


Ob吹き方唇2-min


2) 下唇の半分にリードを当てる

  下唇の厚みのちょうど半分に、リードの先端が来るように
  軽く当てます。
  この際、勢いよく当てると、リードの先端が唇に当たって、リードが  破損するか、唇が切れたりします。
  冬場、空気が乾燥していると、どちらも大変!


Ob吹き方唇3-min


3)  そのまま、唇で包み込む

  唇の両脇(口角)が広がらないように、唇の先端部分だけ
  丸めるようにします。
  強く締めると、リードの隙間が塞がって音が出ません。
  軽く、でも隙間から息が漏れないように。
  「びゃぁぁぁ」って音が出れば正解です!
  案外、汚い音ですね。





Step.3 楽器の持ち方 姿勢


Ob吹き方姿勢1-min


1)  楽器の持ち方(悪い例)

  クラリネットや、サックスは、唇より下に楽器を持つと、低音が出し  やすかったりします。これは、シングルリードで、下側にリードがあ  るからです。
  オーボエは、2枚リードなので、上下どちらのリードにも、均等に力  が入るようにします。


Ob吹き方姿勢2-min


2)  楽器の持ち方(良い例)

  唇の隙間の角度のまま、まっすぐ持つと、上下に均等に力がかかります。
  コンサートの時、よく見てください。
  クラリネットは下向きに、オーボエは、
  ちょっと高めに持っていますね。

オーボエ美奈500
オーボエを吹く美奈
めざせ!東海大会♪より


Step.4 まずは吹いてみよう!

 右手の親指で管を支えて、左の親指を、やはり缶の裏に置き、人刺し指から小指を主に使います。
 左の人差し指を置いて、吹いてみましょう。高い音や、低いとが混ざるかも知れません。もう一度、リードをちゃんと唇に噛ましてみましょう。
 低い音が出たら、その音が「シ」です。
 オーボエは、C-dur  in C(ツェー) の楽器なので「シ」は、そのままの「シ」です。原音読みで「H」(ハー)です。
 この音が一番出しやすい。
 それでは、次に、左手の中指を同時に押す。
 出た音は、「ラ」で、原音読みで、「A」(アー)です。
 そうそう、出るもんですね。
 次は、左手の薬指。
 出た音は、「ソ」です。原音読みで、「G」(ゲー)です。

 さて、そのまま1本ずつ指を開けていきましょう。
 「ソラシ-」  ん、なんかイメージつきません?
 「ソラシー、ラソ、ソラシラソラー」

 そうです。世界の名曲、「チャルメラ」ですね!

 これであなたも、オーボエ奏者!

 「響け!」では、鎧塚みぞれ先輩ですね。「リズと青い鳥」でも。


Step.5 どうして音がでているの?

 ●なんで、音が出ているか
  リードは、ケーンと呼ばれる葦の仲間の茎の部分を乾燥させ薄い板にした物を2枚向かい合わせに縛り、わずかな膨らみで生じる隙間に息を通すことで、この2枚のリードが振動し、その振動を「音」として管に伝えて音を作っています。原理的には、草笛そのものです。チューブの内径は、わずか4mmで、チューブそのものはコルクで管と繋いでいます。空気の振動は、わずか4mmの管を通って本体に伝わり、木管特有の「穴」の位置を変えることで、音階を作っています。本体に伝わった後の原理は、リコーダーやクラリネットと同じですが、音を作り出す部分が、2枚リード(ダブルリード)といって、独特です。同じダブルリードの仲間として、イングリッシュホルン、ファゴットがあります。

 ●楽器でどうして「音」が良くなるの?
 木管楽器は、リードによる振動をエネルギーとして、音階は管の長さで周波数を作り出しています。 金管と違うのは、金管は完全に管の長さなのですが、木管は、穴の空いている場所を指で塞ぎ、マウスピースから遠い処から順に、指をあげて穴を開けていくことで、穴から中の空気が抜けることで、音階をつくっています。ただ、多くの息量によって、穴の位置の変化によって周波数が変わった振動の多くは、ベルと呼ばれる楽器の先のラッパの部分から出て行きます。あくまでリードの部分を片端として、穴の空く場所までが、音の周波数を決めているのです。最終のベルは、空気の流れはベルの開き方によって丸く扇状に広がっていくようになります。ここで単なる「びぃぃぃ」というリードの振動が「ぶおぉぉぉ♪」という音色に変わるのです。
 音の振動が管の中を進むとき、管自体が振動を吸収しちゃうと音が小さくなります。振動を吸収せず、エネルギーを反射させる材質が好まれ、硬く重い物質が好まれます。ただ、硬すぎると、ほぼ全ての振動を反射してしまい、響きすぎて良い音の響きになりません。たまにクリスタル製の木管とかありますが、音はどうでしょうか? 木製は繊維が適当に振動を吸収します。プラ管と天然木との音の違いは、こういった所も影響します。最近で始めている、「新素材」は、天然木の粉末を、カーボン樹脂の細かな繊維質とからめて、熱と圧力で焼き固めた物が使われたりします。エボナイト(ゴムを熱圧力で焼き固めた物)よりも柔らかく、天然木の硬さ、反射に近く、音色もプラ管よりは柔らかな響きとなります。

 ●プラ管や新素材は「音」が悪いの?

 初期の頃は、単にプラスチックで型を取った物や、エボナイトのようにやたら硬い管になったりで、手頃な柔らかさを得ることが難しかったです。子供向けの、塩ビやポリスチレンのような柔らかい素材であれば、そもそも響きませんね。ABS樹脂は、Aアクリル、Bブタジエン、Sスチレンを適度に合わせた樹脂で、やっと硬さと柔らかさを微妙にコントロールできるように開発されてきました。でも、まだ天然木にはかないませんでした。
 最近の、天然木の粉末に、カーボン樹脂等を混ぜて焼き固める物は、かなり天然木に近い響きが得られるようになってきたそうです。
 よく、プラ管は音が悪い、と言いますが、それは出回っている価格が「安い価格」と言うこともあります。天然木の楽器でも、スチューデントモデルと、プロ御用達のモデルとで、音が違うように、安い購買層向けに開発された楽器を持って、「音が悪い」というのも、当たり前ですよね。前述の新素材は、クランポンや、マリゴなど、超高級楽器メーカーが真剣に開発した物があり、値段はむしろ天然木モデルより若干高めの設定です。さすがにそのレベルにあれば、「音が悪い」とは言えません。ただ、好みはあるかも知れませんね。
 オーボエは、振動はクラリネットに比べて本当に小さなエネルギーです。このエネルギーを無駄なく響かせて拡大するには、管の材質は、クラリネット以上に重要な要素となります。それ故、高品質なグラナディラが枯渇することは、これらの楽器がこの世から無くなってしまうかも知れないという危機感があり、新素材開発に熱が入っています。
 我々が吹くのに、「天然木の方が良い音」と言うレベルでは無いと思います。少なくても、合奏演奏となったとき、「おいっ、だれだ、プラ管吹いているのは!」って、お客さんに気がつかれるほどの「音の悪さ」では無いと思います。


Step.6 まずはロングトーン


 ●まずは、ド(C)から。

 オーボエは、in C ですから、普通に吹けば「ドレミファソラシド」となります。クラリネットと違うのは、「ファ」の音の運指が違いますね。そこだけ気をつければ、inCの「ドレミ」は難なく吹けます。

 ●呼吸は、腹式呼吸
  「腹式呼吸」これは、横隔膜で呼吸をする方法。一般には「肺呼吸」で、胸を広げて深呼吸をしますが、吹奏楽で必要なのは「腹筋」です。でも「腹式呼吸」じゃないですよ。(笑 
 お腹を膨らまして息を吸い込み、お腹をへこまして息を吹く...(腹式呼吸?)ではなく、横隔膜を上げたり下げたりする感じです。お腹を膨らまさないように、脇腹から背中に掛けて力を入れる。そんなイメージで呼吸を繰り返しやってみましょう。これは、楽器を吹かない日常生活でも出来ますね。男の子は比較的無理しないでも肺活量でねじ伏せれますが、女の子は特にこの「腹筋」と「腹式呼吸」を鍛えましょうね。
 前述の「正しい姿勢」も実はこの「腹式呼吸」がやりやすい姿勢でもあります。

 左手でリードを持て加え、右手を「ぐー」にして、お腹を押してみます。このとき出る「息」がよい「息」です。それをやってみて、感じがつかめたら、イメージしてみてリードを吹いてみましょう。

 以上の事を慣れないうちは、10分でも良いですから、毎日続けましょう。最初は頬の筋肉も、楽器を持つ腕の筋肉も、腹筋や横隔膜もすぐに疲れます。10分が物足りなく感じてきたら、20分、30分と増やしていきましょう。焦らなくて良いです。人によって歯の形、唇の形が違います。そもそも、トランペットは西洋人が作った楽器で、日本人の骨格には合わないとも言われています。

 どこで、人が嫌になるかと言えば、大体ここの段階です。思ったように「音」が出ないです。それは、下手なのではなく、普段使わなかった「筋肉」とそのコントロールする「神経」が追いつかないからです。それだけです。センスがないのではないですよ。たまたま、骨格などがフィットして、すらっと吹けちゃう子もいます。「その子」が上手いのではなく、体が合っていただけです。「その子」にしても頬の筋肉や腹筋が出来ているわけではありません。誰もがみんな通る道です。

 どうしても「吹く場所」「吹く時間」が取れなければ、リードだけでも吹いてみましょう。リードだけでも、音の裏返しは出来ます。また、日常生活でテレビを見ているときでも、アンブシェアの練習が出来ます。まず、「うー」の唇をして、そのまま唇を丸め込む。この姿勢で腹式呼吸で先ほどのテンポで、吸って吐く。これを繰り返す。頬の筋肉がつってきます。だんだん唇が開いてきます。そこをなんとかこらえてアンブシュアを保つ。筋肉トレーニングですね。

 そして、同じ音のロングトーンを、最低10分。毎日。


Step.7 基本のCで

 まずは、1音1音出していきましょう。
 
 ♪=60 (4秒吹いて、4秒休み)
 ドーーーー、休み、レーーーー、休み、ミーーーー、休み、ファーーーー、休み、ソーーーー、
 ソーーーー、休み、ファーーーー、休み、ミーーーー、休み、レーーーー、休み、ドーーーー。
安定するまで、5往復でも、10往復でもやりましょう。これが出きれば、
 ドー、レー、ミー、ファー、ソー
 ソー、ファー。ミー、レー、ドー
と、一息で上がって、一息で下げる。
 下げていくときに、「ミ」から「レ」に移るときに,意識的に「裏返り」をイメージします。普通に吹くと、高い音が出るかも知れません。
 そして、一息に
 ドレミファソファミレド
 と、上り下りを出します。指使いと、「裏返り」を意識して何度も繰り返しましょう。

 ちょっと、メロディーっぽく吹くと綺麗に聞こえます。
 ドーーレミファソラシドー♪ 
 そう、「響け!」のCMに入る前の、あの「音」ですね!

Step.8 「聖者の行進」を吹いてみよう!

 聖者の行進は、「ドレミファソ」だけで、吹ける練習曲にもなります。ロングトーンばかりじゃつまらないので、時々曲を演奏すると、「その気」になります。でも、基本が出来ていません。イメージは、ジャズのソリストですが、そんなふうにはまだ吹けないですね。下手にテンポを付けずに、1音1音ちゃんと出すことに専念しましょう。というか、かっこよく、リズムを付けても「音」が出ないはず。
 「聖者の行進」を上手に吹く事が目的ではなく、音が一つ飛ばしにあがったり、テンポがあったりで、その変化にアンブシェアや呼吸が安定してついて行けるかの練習です。それと、つまらない練習に「華」を添えるという意味もありますね。
 まぁ、楽しんで吹いてください。


Step.9 「ドレミファソラシド」ロングトーン&スケール

 木管楽器の難しいところは、1オクターブを越えると、全開から全閉になること。これ、指使い相当練習しないと、全部押せないですよね。まず、そこは置いておきましょう。指を一ずつ広げて、逆に押していく。このあたりは、金管よりも楽ですよね。指の位置で、管内の長さが変わることが実感できますから。

 ♪=60
 ドーーーー、休み、レーーーー、休み、ミーーーー、休み、ファーーーー、休み、ソーーーー、休み、ラーーーー、休み、シーーーー、休み、ドーーーー。
 ドーーーー、休み、シーーーー、休み、ラーーーー、休み、ソーーーー、休み、ファーーーー、休み、ミーーーー、休み、レーーーー、休み、ドーーーー。

 ちょっと、メロディーっぽく吹くと綺麗に聞こえます。
 ドーーレミファソラシドー♪ 
 そう、「響け!」のCMに入る前の、あの「音」ですね!

 木管楽器は、上の「ド」から次の「レ」を出すのが難しいです。それは、指が「全開」=上のド、から「全閉」=つぎの「レ」となるからです。指を完全に離しちゃうと、いざ押すときにキイを探して、連続的に音が出ません。指を離してもすぐにキイを押せるように、キイの上に宙に浮かせておかなければなりません。
 そこを意識して、ドーレーミーファーソーラーシードーレーミーまで、吹いてみましょう。


次に、
 ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、レ、ド、シ、ラ、ソ、ファ、ミ、レ、ド。
 ド、シ、ラ、ソ、ファ、ミ、レ、ド、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド。
これは、ドからドの通常のスケールの一つ上を出す事で、全閉から全開、全開から全閉への指の練習になります。


Step.10 「ドーレミファソラシドーシラソファミレドー」を一息で吹こう!

 「響け!2」のコマーシャルに入る前に、各楽器のスケールが入りますね。さすが音楽大学の音。良い音です。あれをイメージして、吹いてみましょう。一息で吹くので、そこそこ速度が要ります。吹く息量と、指使いフィンガリングが重要になってきます。ゆっくり吹くのとはまた違った力が必要です。ゆっくりと長く同じ音を出す時は、音を出している最中に大きくなったり小さくなってはだめで、同じ音を吹き始めた瞬間から止める直前まで吹くと言うことです。下手なときは、吹き始めが強く高めになったり、終わり頃は息切れで、高くなるか、ぷすっと音にならないか。途中は、音を探して高くなったり下がったり、意図しないビブラートが入ったりします。それをそうならないように練習します。
 早いスケールは、吐く息量のコントロールと、タンギング、フィンガリングと、別の技術が必要です。そして、頭の中で「音」をイメージして、頭の中で「唄って」それに併せて吹くという感じが、実は良い音になってくる様です。「唄う風に吹く」とよく言っていますね。

逆腹式呼吸法
 オーボエは、内径4mmしかない筒に息を通して吹きます。ストローよりも細いです。
 という事は、通常の吹き方(腹式呼吸)では、息がはいっていきません。腹式呼吸は、息を速度を付けて吐き出す方法なので、細い管の内壁抵抗で、息が詰まってしまいます。必要なのは、圧力です。
 そこで、逆腹式呼吸法が用いられます。
 息を吹くと同時に、腹と脇腹に力を入れて膨らまします。普通は、息を吹くと、腹をへこませますね。その逆です。
 腹を膨らませて、さらに両脇腹を膨らませる、そんなイメージでお腹に力を入れます。これで圧力が高くなります。
 吹くのに、速度は要りません。その代わりに、この高い圧力が必要です。
 ここが、オーボエ独自の難しいところです。
 フルートは息が足りなくなる楽器です。オーボエは息が余る楽器です。真逆ですね。



 さて、超基礎的な、Step.1~10までは、楽譜のことは一切考えなくて良いです。頭の中で、「ドレミ」をイメージして吹いてください。

 私たちのコミュニケーション手段の一番大切なのは「言葉」で、次が「目線」と言われます。吹奏楽では、吹いているので「話せ」ません。指揮者を見ているので、周りや後ろの人の「目線」は見れません。吹奏楽で大切なコミュニケーション手段は「音」です。「言葉」と「目線」と同等の意味合いがあります。吹奏楽の演奏者は、「音」で話しているのです。
 そのために、まずしゃべれるようになること。つまり、「音出し」が出きること。これは最低条件ですね。

 「響け!」の描写に、校舎のいろいろなところで、個人練習をしていますが、わざと誰かのスケールに合わせて、スケールで答える。まるで、ウグイスの谷渡りのように。遠くにいる仲間と、この音だけで通じるものがあるようです。


簡単な運指表
 ●C調基本の「ドレミファソラシド」

オーボエ運指C600
ファの運指は、4つあります。ここでは、簡単なひとつを紹介します。
実際の処は、実音が微妙に異なります。明るい「ファ」、暗い「ファ」など。
また、トリルをするときに使いやすいキイなど....


簡単な曲
 ●ベートーヴェンの第九
  「ミミファソ、ソファミレ、ドドレミ、ミーレ、レー」
  「ミミファソ、ソファミレ、ドドレミ、レード、ドー」
  「レレミド、レミファミードー、レーミファミーレー、ドーレーソーーー」
  「ミミファソ、ソファミレ、ドドレミ、レード、ドー」
第九歓喜の歌ドレミ楽譜600-min

 なんと、ベートヴェンの有名な曲も吹けちゃいます!曲進行も典型的な、A・A’・B・A’ で、「ドレミファソラシド」と、下のソが必要ですね。ここがポイント。あとは、第10、11小節の「レミファミード」の素早い指の動きと息の入れ方がポイントですね。この楽譜は、超初心者向けにアレンジされていますが、原曲は8分の6拍子で、もっと速度変化があります。もっとも、原曲では、そもそもトランペットで主旋律は吹きませんが。ちなみに、クラッシックの世界で、交響曲にトランペットを初めて取り入れたのが、このベートヴェンの交響曲第9番(第九)と言われています。トランペットと言うよりも、フリューゲルホルンですが。
 余談ですが、ベートヴェンは、このように、誰でも口ずさめるドレミのみで主旋律をつくり、楽器を変えて何度も繰り返すユニゾンと、「A・A’・B・A’」の起承転結の展開で曲を作ることが多かったようです。

 ●「遠き山に日が落ちて」(家路)
  「ミーソソー、ミーレドー、レーミソーミレー」
  「ミーソソー、ミーレドー、レーミレードドー」
  「ラードドー、シーソーラー、ラードーシーソーラー」
  「ラードドー、シーソーラー、ラードーシーソーラー」
  「ミーソソー、ミーレドー、レーミソーミレー」
  「ミーソソー、ドーレミー、レードレーラードー」
家路ドレミ600-min

 「響け!」の麗奈の気持ちを知るには、この曲でしょう....

 曲進行は、A・A’・B・B・A・A”と、単純です。

ドボルザーク作曲「交響曲・新世界」より第3楽章。この曲は、ドヴォルザークが、新世界「アメリカ」に渡る際、大西洋上の客船で大海原に沈む太陽を見ながら、故郷ボヘミアを想い作ったとされています。イングリッシュホルンの代表曲とされますが、日本では「下校の音楽」として親しまれていましたね。
ここで、先ほど、上の「ドレミ」を練習した成果が出ますね。

 ●「アニーローリー」(スコットランド民謡)
  「ミレドード、ドーシシラー、ラソミミーレドレー」
  「ミレドード、ドーシシラー、ラソミミーレドー」
  「ソファドードレーレミー、ソファドードレーレミー」
  「ミレドーシラードラソミー、ミレドドーミミーレドー」

アニーローリー楽譜ドレミ600-min

  これも、優しいメロディーです。A、A’、B、A"の典型的な展開ですね。


楽譜を読めるようになりましょう
 まずは、クラリネットを感じることが大切です。こんなに簡単に「吹ける」こと。
その次は、ちゃんと「吹けるよう」にちゃんと練習をしましょう。
 「ドミソー」じゃなくて、譜面を読めるように。

 ●音の読み方(ドイツ語読み)
音階読み方500-min

 吹奏楽の世界は、多くの楽器がB♭(ベー)が基音となっているため、「ドレミ」で呼ぶと、どの「実音」かわかりにくいです。また、そのこともあり、半音上げる♯(シャープ)や、半音下げる♭(フラット)が多用され、その都度、B♭(ビーフラット)とか、E♭(イーフラット)と呼ぶのが大変です。そこで、ドイツ語の呼び方を使います。半音上げる♯は、「is」を付けて呼び、半音下げる♭は、「es」を付けて呼びます。これで、B♭は、「ビーフラット」から「ベー」に、E♭は「イーフラット」から「エス」というように、簡単に呼ぶことが出来ます。この呼び方を「実音」と言って、「ドレミ」と分けて使うようにしています。
 間違いやすいのが、シの音。英語ではBですが、ドイツ語ではなぜかH(ハー)。で、シ♭は、英語ではB♭ですが、ドイツ語では、なぜかB(ベー)となる。ここだけ他のパターンと違いますね。初心者は間違いやすいので、ここではB♭(ベー)と書くようにしています。英文字表記は、英語表記で、読み方はドイツ語読みということですね。


B♭で吹ける?
 ●吹奏楽の基本はB♭(べー)


 さて、吹奏楽の基本はB♭(ベー)だと、いっています。これは、多くの吹奏楽器の基音が「B♭」でできていることが由来です。子供の頃から親しみのある、「ドレミの歌」は、もちろん、ハ調長,C-durで作られています。オーボエならば、譜面通りそのまま吹けば、子供もみんなで唄うことができますね。
 ところが、これを他の吹奏楽器と合奏するとなると、ちょっと大変なことになります。吹奏楽のメロディーラインは、トランペット、クラリネットですが、ともにB♭楽器だからです。吹奏楽部にはいって、朝、全員でスケールをやることがありますが、もちろんB♭で始まります。となると、せっかくのCdur楽器でも、わざわざinB♭で吹かなくてはなりません。
 シ♭、ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ、シ♭   実音(B、C、D、Es、F、G、A、B)
 この音階で、スケールができないと、最初から躓きますね。

 興味深いのは、演奏会の基音は、オーボエが出します。クラッシックの交響楽団だと、コンサートマスターと呼ばれる、1stバイオリンが、A(ラ)の音を奏でて、各パートが音を合わせます。指揮者が入ってくる直前に、指揮台の向かって左のバイオリニストが立ち上がって、「ラ」の音を弾きますよね。吹奏楽では、これを、オーボエが担当します。そして、B(べー)を吹きます。
 これは、オーボエが構造上一番調音が難しいからです。他の多くの吹奏楽器は、抜差管やマウスピースを抜いたり差し込んだりして、音のベースを高くも低くもできます。しかし、オーボエは、構造上その余裕がほとんど無く、わずか2mm程度しか調整ができません。そのため、湿度が多かったり、温度が極単に低かったりしても、調整ができないので、その時出せるオーボエの音を基調とします。仮にそれが、A=442Hzでなくても、仕方ないですよね。要は、合奏の根本は、みんなの音が逢うことで、正確な音叉に合わせるわけでは無いからです。みんなでずれていれば、それはそれで良いハーモニーとなります。
 さて、そのオーボエは、何をたよりに、今日のB(ベー)の音を決めるのでしょうか?
 まぁ、コンサートホールにある物として、ピアノを使うことが多いようです。または、一緒に演奏するグロッケンであわせることが多いそうです。さて、どの音で合わせるのでしょう?A(ラ)で合わせることが多いようですが、楽器の性質上、C(ド)で合わせることもあるようです。そこで、わずかにリードの位置を抜いたり押し込んだりして、B(ベー)を出す。


 映画「サウンド・オブ・ミュージック」の有名な「ドレミの歌」
子供の頃、歌いませんでした?
 「ドーは、ドーナツのドー、レー、はレモンのレー」

ドレミの歌B実音600-min (1)

 上の楽譜で吹けば、普通の「ドレミ」
 でも、吹奏楽で合奏する場合は、下の楽譜で吹きます。


原曲と合奏できればプロ!
 超初級では、どんな曲も変調すれば「ドレミ」で吹けますよと、書いてきました。最近の不協和音が多い曲は難しいけど、クラッシックなどは、ほとんど「ドレミ」(ハ長調)に変調できます。まずは、楽しく吹くという意味で、いろいろ吹いてみましょう。

 でも、前章で書いたように、C調でかかれた歌の伴奏というように、併せて吹くとなると、B♭の「ドレミ」では、1音ずれて合いません。そのため、1音上げた楽譜(B-dur)に書き換えて演奏する必要が出てきます。楽譜は、五線譜で0.5行上げて書けばよいので、比較的簡単に書き換えられます。慣れれば、見ただけで出きるでしょう。でも、そのために、二つの新しい運指を覚えなくてはなりませんね。ファ♯とド♯です。

 この原理が分かってきたら、いよいよ「合奏」となってきます。
吹奏楽用の楽譜は、B♭が基本に書き換わっていますので、そのまま吹けば吹けます。また、B♭トランペットパート用の楽譜というのもあります。そのまま吹けるようになります。
 問題は、クラッシック音楽。もともと、C調だけではなく、いろいろな音階で書かれています。
前述の、ドボルザークの新世界の第2楽章「家路」(遠き山に日は落ちて)は、変ニ長調(Des-dur)で、フラットが5つも付いています!原曲の主題は、イングリッシュホルンが担当しますが、いろいろな楽器と合わせた編曲も多くあります。
 まずは、C-durで普通に吹いてみて、次に、Des-durで吹ければ、プロですね。


ロングトーン&スケールは毎日練習
 ロングローンとスケールは、プロの奏者も毎日やります。基本中の基本の基礎練習。1日10分でも、20分でもやっていれば、自然と「音」が出てきます。
 「響け!」でも、コマーシャル前後に、各楽器のスケールが出ますよね。あれが気持ちよい心地よい音と思えれば、もうあなたは、上手くなっています!
吹奏楽で合奏するのであれば、B♭-durのスケールの練習ですね。

 あなたの「ド」って、何ですか?

 オーボエを吹いてみよう(Step Up編)
ある程度音がでて、指使いになれてきたら、今度は、より響く丸い音を出してみましょう。
その為には、このステップアップを参考に!

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