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ステップアップオーボエの吹き方

​超初級管楽器の吹き方講座

 さて、ちょっと「オーボエ」がF吹くたら、次のステップ! 少しでも良い「音」を演奏出来るための、基礎部分です。難しくはありません。ただ、コツを掴むのにちょっと手間どるかも知れませんね。コツが掴めば、あとは反復練習。体で覚えましょう。


 ※あくまで超初心者に、興味を持ってもらうことを前提としています。コンクールを狙う吹奏楽部生さんや、ソロを狙うプロをめざす人には、全く参考になりません。変な癖が付く前に、ちゃんとした指導者の下で本当の「レッスン」を受けてくださいね。

超初級オーボエ吹き方講座(ステップアップ編)
 オーボエは、草笛の原理でできた木管楽器です。それ故、どこまで行っても、草笛っぽい、平べったい音になりやすいです。「ぶぉぉ」と言うより「びゃぁぁ」と言うイメージです。これは、構造上ある程度仕方のない部分です。ところが、上達すると、角が丸い、太くて豊に響く独特の「オーボエ」の音色になってきます。低い音は、まるで「ホルン」のような丸い音になるし、高音域も「クラリネット」のような丸い音に変わります。
 それは、頬の筋肉と、唇の押さえる形、そして、呼吸法と、吹く技術を高めていかなければなりません。その為の、基礎練習を始めましょう!


 正しい姿勢


 オーボエがなぜ難しかといえば、ズバリ2枚リードだからです。「クラリネット」や「サックス」は、同じリード楽器でも、1枚リードです。片側がマウスピースの堅いボディーで固定されているので、上の歯にマウスピースを当てれば、マウスピースが固定されます。後は、下唇を軽く当てれば、リードがなりやすいです。
 ところが、2枚リードは、どちらも薄い柔らかいリード(葦)でできているため、唇で強く噛むと音にならず、柔らかすぎても固定できません。その力加減が難しいです。また、クラリネットなどは、上の歯でマウスピースを固定するため、楽器は下向きに持てばよく、その角度で唇の圧力を変えることもできます。サックスも同様です。サックスなど、楽器の角度を変えることで、高い音をきれいに出すテクニックなどもあります。
 2枚リードのオーボエは、できるだけ口に対してまっすぐ前に、楽器を持ちます。クラリネットと遠目で区別するには、この楽器の角度でわかります。下向きに持っている長い黒い管楽器は、クラリネット。対して、同じような黒く長い管楽器でも、高く持っているのがオーボエです。それは、2枚リードの上下両方に同じ圧力で唇を当てる必要があるからです。
 初心者は、ついつい、楽譜を見たり、チューナーを見たりで、下向きに楽器を持ってしまいます。それでは、リードの上下に均等に圧力がかかりません。結果的に、よい音になりません。
 まっすぐ前を見るようにたった場合、楽器はほぼ水平になるまで、高く持つ。この姿勢が、結果的にリードに均等に圧がかかるのです。


 リードだけで吹いてみよう!


 さて、リードだけで、吹いてみましょう。
 びゃー、びゃーという音が出れば、よいです。俗にカラスが喧嘩している時の鳴き声とも言われます。
 で、このリードの音出しを、1日10分でもやっていけば、頬の筋肉がついてくると言われます。初心者は、頬の筋肉ができていません。そのため、唇に力を入れて「噛む」ように、つよくリードを押してしますのです。そのため、リードが振動しにくくなり、強い息圧が必要となり、苦しくて音が長く吹けないことになります。
 そこで、頬の筋肉をつけて、アンブシュアが安定するようにすればよいのです。これは、ほぼすべての管楽器に通じることで、楽器によってアンブシュアや、アパチュパの形状が異なるものの、基本的な「形」は同じです。
 楽器を取り出すと、組み立て、片付けの際のスワブがけ、接合部の清掃などと、いろいろ面倒です。ここだけでも、10分という時間を使います。毎日練習といってもなかなかできないですよね。
 そこで、リードだけの練習はいかがでしょうか?
 リードを水につけて準備ができたら、リードだけ口にくわえて、「びゃーびゃー」と音だしましょう。軽く、右手でリードのチューブを持ちましょう。うまくなると、手で持たなくても唇にホールドできますが、初心者は頬の筋肉と唇の圧力の関係が安定していないため、吹いている最中にリードを落としてしまいます。リードが落ちて床に当たると、まず、リードの先端が欠けちゃいます。1本3,500円ですよ。大事にしましょう。

 これを、10分。つまらないといえばつまらないですが、気軽な練習です。これでかなりアンブシュアが安定手していきます。
 というか、最初は、10分できないです。頬の筋肉が突っ張って、リードを加えることすらできなくなります。
また、音出しをしていると、自然に唇の中でリードが浮いた感じになり、その後、ぽろっと唇から落ちます。
さらに疲れてくると、リードの周りから空気が漏れて、音も出るけど空気が漏れるという状況になります。
 ロングトーンで10分。これが安定してできるようになった頃、大分よい音色が吹けるようになっているはずです。


 逆複式呼吸を覚えよう


 オーボエは、「息が余る楽器」と言われています。その対する「息が足りなくなる楽器」はフルートを指します。理由は簡単。内径わずか4mmの細いストローよりまだ細い管に息を入れるということは、非常に難しいです。
 物理学の「流体力学」で言えば、壁面の抵抗が流れの力に対して相対的に強くなる現象です。通常の管であれば、壁面のながれは抵抗があり、遅くなりますが、中心に行くにつれて、流速が早まります。それは、壁面の抵抗よりも流れる力の方が大きくなっていくからです。
 ところが、直径4mmという細さになると、こちら側の壁面の抵抗と、反対側の壁面の抵抗の方が強くなり、中心付近でも強い流れが確保出来ません。そこで、流れが停滞します。この細い流れでは、リードは鳴らないし、息も詰まります。
 そこで、流速ではなく圧力差を使い空気の流れを作ります。その為の呼吸法が、逆腹式呼吸です。

腹式呼吸350 -min
腹式呼吸

 腹式呼吸は、横隔膜の動きを使って、流速を高める呼吸法です。それは、通常の肺式呼吸に対して流速が早いという意味です。
 肺式呼吸は肋骨筋を使って、肺全体を広げる事で、肺胞一杯に息を入れ、肺胞一杯の息を吐き出します。1回の呼吸で多くの量を出し入れできます。その為、通常の呼吸に使われ、効率の良い呼吸をしています。それに対して、腹式呼吸は、横隔膜の瞬時に動く筋力で、肺全体を押しつぶすことで、勢いのある呼吸が出来ます。
 よく言う感覚だと、お腹に拳で思い切り殴る、時のお腹を引っ込める動きをイメージすると、強烈な流速を生むことができます。

 さて、逆腹式呼吸とは、口から息を吐き出しながら、下腹部を膨らませます。更に、脇腹から背中の方にその膨らませを広げるようにお腹に力を入れます。このことで、下腹部から腹筋全体を締め上げ、腹腔内圧を高めます。この高い圧力で、肺胞の空気を加圧して、圧力差で大気開放する呼吸法です。

逆腹式呼吸350-min
逆腹式呼吸

 サックスなどでも調子付けて大きな音を出していると、ロングトーンの時、空気が足りなくなることがあります。その時は、今引っ込めていた下腹部を逆に膨らませて、肺胞の最後の空気を絞り出します。このときの呼吸法が、逆腹式呼吸。時として、この時、丸い良い音がでることがあります。

 流速が早いと、リードが振動するより早く空気の流れが抜けていき、その振動が空気の流れに乗るから大きな音になる半面、微妙な振動(響き)がのらず、割れたような硬い音になりがちです。演奏法として表現の一部として多用されますが、長く聴いていると疲れます。それに対して、圧力差で流れを作っている場合は、わずかな流量でも十分の流れが生じ、また微振動を上手く乗せていけます。これにより「響き」が乗り、丸い音になるのだと思われます。
 私のような初心者が、スケールの練習をするとき、最初の「ド」よりも、オクターブ上に行ってから帰ってきた「ド」の方が、丸くて深い響いている音となるのは、この「息が足りない」が故にできた、偶然の逆腹式呼吸法のおかげだと思っています。


 替え指を覚えよう!






・Fの替え指


・Dの替え指



 他の音階を覚えよう!


 まず、吹奏楽部などにはいって、一番最初の合奏は、このB♭音階ので「ドレミ」というスケールでしょう。多くの吹奏楽部は、B♭(シ♭)の音を「ド」と呼ぶ変ロ長調音階を標準としています。これには、メロディを吹くメインの楽器「トランペット」「クラリネット」が、B♭基音で作られているからです。ちなみに、クラッシックの管弦楽では、「ラ」の音で調音しますが、「ド」は「ド」そのものです。これは、ピアノがC-dur、ハ長調で作られているためです。
 そのため、B♭音階は、吹けるようになっていたいですね。

 ●B♭調基本の「ドレミファソラシド」

オーボエ運指Bb600

 これが、吹奏楽の標準の音階、「ベー」と呼ばれる、B♭-durですね。日本語で言うところの「変ロ長調」です。
 合奏練習の一番最初にやる、全員でのスケールは、大抵これですよね。今までよく聴く「ドレミ」は、ハ長調のCの音階で、これは、1音低い音階となります。この1音低いB♭の音になれてくると、吹奏楽に慣れ親しんだという事ですね(笑

 さて、音階は理論的には24音階あります。覚える運指は30通り。要するに、♭と♯を覚えましょうと言うことです。ピアノで言うところの黒鍵です。
 全ての白鍵と黒鍵を順に拭くことができれば、どんな音が出てきても、対応できますね。大分、頭を使うことになりますが....
 実際には、楽譜を見て♭や♯の書かれている線を蛍光ペンで塗るとか、その音を塗ってわかりやすくする、なんてことを、初期の段階ではやっていますね。そのうち慣れてくると思います。
 これができてくると、楽譜は初見で吹けるようになるでしょう。そこまで来ると、いろんな曲を吹いてみたくなり、面白くなってくると思います。



 「レ」の練習



 リードの選び方



さて、ある程度「オーボエ」が吹けるようになってきたら、イングリッシュホルンを吹いてみませんか?
イングリッシュホルンは、オーボエより、5つ低い音を出す、オーボエを長くしたような楽器です。

● イングリッシュホルン 楽器紹介  
● イングリッシュホルンを吹いてみよう
● イングリッシュホルンのお手入れ  


オーボエのお手入れ
超初級楽器講座
楽器紹介 オーボエ

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